【特集:1960s アメリカ映画】 胃袋を満たす愛はパリにあり


9/23 & 9/24
第8回公演 HAIR!

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ミュージカル 劇 北摂







1960年代のあれこれ!
ヒッピーたちのあれこれ!


本日のテーマは

・1960年代アメリカ映画紹介

です。


皆さん、こんにちは。
残暑が時折厳しいですが、このような気候では映画館やお家で映画を観るに限りますね~
夏休みのこの時期は、収益性が高いということもあり、数多くの映画が公開されています。
ぜひ夏にぴったりな一品を観に行きたいですね。


突然ですが、みなさんは「ヒモ」って何かご存知ですか?
そうそう、新聞紙やら段ボールやらを括ったり、ホタテの貝柱の脇に付いている...

ものも、確かに「ヒモ」ですが、
察しのよい方は、別の意味をすでに頭の中に思い浮かべられていることでしょう。
自分は働かず、女性の稼ぎをあてにしている男性(通称:ジゴロ)のことなのです。


第二弾である今回は、そんなヒモ男が繰りなす

ラブコメディ?いや、はたまた超純愛物語?

をご紹介したいと思います!


ビリー・ワイルダー監督による
「Irma la Douce(邦題:あなただけ今晩は)」(1963年)



フランス・パリを舞台に繰り広げられる、前回紹介した「卒業」とはまた違った女と男の愛物語です。

ちなみにこの映画で音楽を担当したアンドレ・プレヴィンは、アカデミー作曲賞を受賞しました。


ストーリーは次の通り。


「パリの胃袋」と呼ばれるレ・アールと呼ばれるパリ中央市場の裏手に広がるのは、娼婦街カサノバ通り。ある日、そこに配属された超まじめな警察官ネスターは、野放しになっている娼婦街に驚愕し、自らの判断で配属初日に大量の娼婦摘発を行います。

しかし、裏の街には裏の顔もある...。娼婦が稼いだお金は、彼女らのヒモ男たちの物となり、その一部は警察のお偉いさん方のポケットに入っていくのです。
また、お偉いさん方はレディースのお客さんだったり...。

そんな裏事情を知らずに、暗黙のルールを破ってしまった彼は、警察官をクビになってしまいます。明日からの生活に困ったネスターは、娼婦街の向かいのカフェ・ムスターシュに現れます。そこで色々あり、何と娼婦の一人“かわいいイルマ”のヒモ男になってしまいます...!(なんだこりゃ、この展開)

真面目なネスターは、愛する彼女が他の男とホテルに入っていくことがどうしても嫌な様子...。一方で、彼女は彼女で愛するネスターに素敵な男性でいてもらうために、「一生懸命働いて、あなたに素敵な服を着せるわ!」と...(ありゃ)

困ったネスターは、謎の経歴をもつカフェ・ムスターシュのマスターに相談し、妙案を思い付きます。それは、ネスター自身が彼女の客となり大金を差し出すこと。そうすれば、彼女は他の男と寝ることなく、自らの稼ぎに満足してくれるだろうと。

そして、その案は大当たり!イルマはネスター扮する英国人紳士「X卿」が1日500フランも支払ってくれることに大満足し、彼だけをお客にとり始めました。

ああ、よかったよかった...といきたいところですが、

では、そのX卿が支払うお金はどこから来るのでしょうか...?

そう、そのお金を工面するために、ヒモ男ネスターは市場で肉・野菜運びや清掃係として働き始めます。自分で稼いだお金をX卿になって愛しいイルマへ報酬として払い、彼女は愛しいネスターへまるっと渡すのです。
(こんな綺麗なお金の循環は、映画でしか起こり得ないですよね...!ある意味でみんなピュアです)

イルマへの秘密ができてしまったネスター。だんだんとX卿に同情を感じていくイルマ。
この2人は、彼らを待ち受けている困難を、うまく切り抜けることができるのでしょうか?二人の運命はいかに...。



さてさて、1960年代のアメリカ合衆国では、公民権運動で黒人の権利が主張されていましたが、それと同時に女性の権利についても叫ばれていました。いわゆる、性別による社会的差別や男性への従属から女性を解放する女性解放の時代です。「夫を見つけ、子どもを産む」という既成の社会的役割に縛り付けられた女性たちが、個人的・職業的なアイデンティティを探求したのです。

この作品では、面白いことに女性が働き、男性がそのお金をもらい養ってもらっています。当時の性別による社会的役割とは逆ですね。しかしながら、映画中では依然として男性が決定権をもち、男性優位色が強いように思われます。このパラドックスもまた、皮肉的であり、この映画をピリっと辛めのコメディチックに仕上げているのかもですね。


また、この映画ですが、撮影はアメリカで行われています。映画中のパリの街並みは、全てセットなのです!すごく精巧な作りです。ちなみに舞台となっているパリ中央市場(レ・アール)は、映画制作の約10年後には別の場所に移転されてしまいました。1960年代、パリは交通網の発展やニュータウン計画により新しい姿へ変わろうとしていました。この映画では、監督のパリへの愛情を感じられるのではないでしょうか。

ちなみに、当時のフランス政権はアメリカのベトナム戦争拡大に反対の表明を出していました。監督の意図は分かりませんが、圧力的な政権(男性)を面白おかしく描いているようにも思えます。


さて、アメリカ人の目で、パリという舞台を通して描かれたアメリカ社会を少し感じることができたでしょうか?
「HAIR!」とは舞台も時代も少し違うような気がしますが、既成社会への反抗だったり、女性のたくましさだったり、何か共通点が感じられるかもしれませんね。

この作品はラブコメディに分類されることが多いですが、純愛物語としても十分に楽しめるかと思います。
ぜひ一度ご覧になってください。


それでは、来る第3弾もお楽しみに!!


【特集】テーマトーク内容はこちら

・ヒッピーって何?どういう考えを持った人たち?
①ヒッピーって何者!? vol.1
②アドラーからヒッピー、そして現在でも追求されている自己のあり方!

・1960年代アメリカ映画紹介
①走る若人に悔いはなし

・ヒッピーの遺した名言!
①Power to the People!!!

・ヒッピーだったアーティスト
①当時ヒッピーだった有名アーティスト

・1960年代の黒人さんたちの底力!
①1960年代の黒人公民権運動①Sit in

・1960年代アメリカで活躍していたディーバたち
①改めて、Diana Rossを紹介したい

・ヒッピーの聖地「インド」について
①インドってどんな国?

・ヒッピーファッションアイテムと言えばこれ!
①Hippie☆style その①

・1960年代にアメリカで起こった歴史的な出来事
①米国混乱の60年代ビッグイベント Vol.1

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公演情報 | 2017/09/05 12:30